1924年正月、ガーシュウィンはわが目を疑った。 新聞記事に、『ガーシュウィン、新作のピアノ協奏曲を作曲中』とあったからだ。頼まれた覚えはないし、今はミュージカルの作曲に忙しい。
これは、委嘱者であるポール・ホワイトマン・バンドが仕掛けたものだった。
オーケストレイションをホワイトマン・バンドの座付作曲家であるグローフェに依頼して、2月に初演されたのがこの「ラプソディ・イン・ブルー」。実はタイトルも、もともとは(ピアノの鍵盤になぞらえて)「白と黒のラプソディ」と考えていたのだが、ガーシュウィンの兄で作詞家のアイラがこの曲を聴き、「ブルーがよい」と提案して付けられたタイトル。
ピアノとジャズ・バンドのためのこの曲を、金管八重奏で楽しめるようにしたのがこのアレンジである。もともとは15分以上かかるのだが、約5分に縮めてある。軽快にリズミカルに楽しんでみよう。