オン・ザ・マーチ

On The March

 

演奏時間:約3分

楽器編成:2Fl. Picc. Ob. Bn. EbCl. .3BbCl. AltoCl. BassCl. 2ASax. TSax. BarSax. 4Hrn. 3Trp. 3Trb. Euph. Tub. St.Bass. Timp. Timp. S.D. Tom. B.D. Cymbals. Whip. Tam.

出版社:TRN Music Publisher

 

 

 

この曲には様々ないきさつがある。
高校3年の夏、吹奏楽コンクールの課題曲公募のために作曲。とにかく完成させることの出来た最初の曲である。速めのコンサートマーチで、よし、それならば、絶対に歩けないようにフェルマータもいれてやろう、とか、思いもよらぬ転調をたくさんいれてやろう、とか、随分と凝った曲になった。スケッチもマジメにたくさん書き、コンデンス・スコアも作り、おまけにスコアは丁寧にペン書きした(ペンで書いたのは後にも先にもこのときだけ)。そして、これまたご丁寧に、締め切り日の1978年8月15日に吹奏楽連盟まで(当時は有楽町の朝日新聞の中にあった)持参していった。審査は最終まで残って、佼正ウィンドオーケストラで試奏までしてくれたのだが……見事落選!。そこで今度はオーケストレーションを変えてJBA(日本吹奏楽指導者協会)の作品募集に出した。これも最後まで残り、わざわざ高松まで審査を聞きにいったのだが、ここでも落選!。
しかし、この曲をしっかり覚えていてくれる人もいるものだ。1991年になって、浜松工業高校の小田木保二氏が演奏したいというのだ。ちなみに彼と私とは同じ浜松北高校の卒業、そして筑波大学吹奏楽団で団長を務めていたこともある。それならば、もう一度オーケストレーションに手を入れようと考え、現在の最終稿が出来上がった。そして小田木氏指揮、浜松市高校選抜吹奏楽団の演奏により改訂版が初演された。これを、私の抒情的「祭」を出版しているアメリカのTRN社に送っておいたところ、出版OKとの知らせ。ようやくこの曲は日の目を見ることとなりました。今私は、全く違うスタイルで作曲してはいるものの、やはり私らしい曲だと思う。とても気に入っている作品の一つである。
……と、この文章を読んでいる間にも終わってしまう、そんな小品です。(1993年11月プログラム/伊藤康英)

オン・ザ・マーチ (ピアノ連弾版) 楽譜