交響詩「コラール幻想曲」 

Chorale Fantasia

 

演奏時間:約14分  

楽器編成:Fl.1,2 Picc. Ob. Hrn. Bn.1,2 EbCl. BbCl.1,2,3 BbBassCl.

     Alt.Sax.1,2 Ten.Sax. Bar.Sax. Hrn.1,2,3,4 BbTrp.1,2,3,4

     Trb.1,2,3 Euph.Tub. Cb. Hp. Timp. Perc.1,2,3,4

出版社:ItoMusic/ブレーン

 

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2002年作曲。中部航空自衛隊創立25周年記念委嘱作品。

浜松での高校時代、あの頃は作曲の勉強をしていて、特にバッハの曲に惚れ込んでいた。バッハのコラールや、それに由来するコラール前奏曲やコラール幻想曲などを、よくピアノで弾いたものだった。それを通じて、私は、バッハの美しい音の構築を学んでいったのだった。
さて、何ヶ月か前、バッハの「O Mensch, bewein' dein' Sünde Gross」というコラール幻想曲(BWV622/《オルガン小曲集》より)を、パーシー・グレインジャーが吹奏楽に編曲したものを演奏した。そのとき、懐かしく高校時代を思い出したのだった。そういえば最近、こんなに美しい音の世界に接してはいなかった。以来、私の頭の中ではずっとこのコラールが鳴り響いている。
中部航空音楽隊は、創立25周年を迎えるという。そういえば中学生か高校生だったころに聴きに行ったおぼえがある。計算するに、それが第1回の演奏会だったかもしれぬ。
その25周年の記念の祝典曲を作曲するという栄誉に浴したわけであるが、しかし、「祝う」ということは、「祈り願う」意にも通ずる。くだんのコラールを全曲引用することで、浜松での思い出を交えつつも、平和を「祈り願う」音楽として、この曲を作曲した。
いみじくもこのコラールのタイトルは謂う。
「おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」               (初演プログラム/伊藤康英)