声楽作品

声楽を伴う器楽作品

彼が私たちに語ったこと バリトンと吹奏楽のために

Title:Ce qu’il nous enseigna… Pour Baryton et Orchestre d’Harmonie

作曲年月日:2016年 7月 28日

プログラムノート ブッダが残したパーリ語の言葉をテキストとして作曲。原曲はバリトン、ソプラノと吹奏楽のための作品。2015年11月8日のドイツでの初演の直後11月13日、パリ同時多発テロが発生。このテロで愛する妻を失ったジャーナリストのアントワーヌ・レリスさんのフェイスブックの記事は、日本の新聞にも報じられた。

「決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。」(朝日新聞訳)

この言葉は、初演したばかりのこの作品のテキストに通じるものがある。と思っていたところへ、クードヴァンが「平和」をテーマに作品を募集していることを知った。平和に向けてのメッセージをなんとかフランスに届けたいとの思いで、バリトン独唱と吹奏楽用に改訂しコンクールに応募した。
赤とんぼ(三木露風作詞/山田耕筰作曲)[独唱・吹奏楽]

Subtitle:Aka-tombo

作曲年月日:2017年 6月

初演データ (初演日)2017年10月25日
(初演者)演奏:海上自衛隊東京音楽隊 独唱:三宅 由佳莉
CDタイトル:SING JAPAN
レーベル・CD番号:ユニバーサルミュージック
CD備考:
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アニュス・デイ

Title:Agnus Dei

作曲年月日:2005年
編成:Fl.(Picc.). B♭Cl. A-Sax. Hrn. Cornet. Euph. Trp. Tub. Mallets. Vocal
演奏時間:3:00(約)

初演データ (初演日)2005年
(初演者)マジカル・サウンズ
息吹 ~独唱と吹奏楽のための交響的カンタータ [和合亮一 原詩]

Title:Ibuki - Breath of Life, Symphonic Cantata for Voice and Wind Orchestra

作詞者:和合亮一(構成:伊藤康英 )
作曲年月日:2016年 5月 8日
演奏時間:15:00(約)

プログラムノート  福島在住の詩人・和合亮一さんは、2011年3月11日の東日本大震災発生以降、福島の声を代弁する形で、インターネットに詩を発表し大きな反響を呼んだ。私もそれに呼応するように、これまでに36曲の歌曲はじめ、「あなたをあきらめない」?和合亮一の「詩の礫」による合唱カンタータ(2012)、オペラ「起承転転」(2014)を作曲してきた。和合さんによる言葉の力は、震災直後より、多くの人々を照らす灯となったと思うし、これからも照らし続けてくれることと思う。
 そうした詩を、言葉を、言霊を、コラージュのように編み、絶望について、希望について、未来について、私たちの大切なものについて、愛について、命の息吹について歌いあげる作品を作りました。吹奏楽の豊穣で繊細な色彩が、歌の優しさや厳しさに向かい合います。
 オペラではないし、特にストーリーがあるわけではないけれど、小さなモノオペラのような作品になっています。
 このたび、私が永らく携わってきた吹奏楽と声楽という二つのジャンルに跨がる作品を書く機会をいただいたことを、とても有り難く嬉しく思っています。
 思い起こせばちょうど30年前、海上自衛隊大湊音楽隊からの依頼を受けて作曲した、吹奏楽のための抒情的「祭」が、私にとっての実質上のデビュー作となりました。その布石が遂にこのたびの作品へと結実した長い道のりに、深い感慨を覚えます。
 海上自衛隊東京音楽隊、三宅由佳莉さん、そして長いご縁である手塚裕之隊長にこの作品を献呈し、深く感謝申し上げます。(初演プログラム)
初演データ (初演日)2016年7月9日
(初演者)海上自衛隊東京音楽隊 指揮:手塚裕之、ヴォーカル:三宅由佳莉(ソプラノ)
(初演場所)リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
CDタイトル:われら海の子
レーベル・CD番号:ブレーン / BOCD-7611
CD備考:
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悲しくなったときは(寺山修二作詩/中田喜直作曲)[独唱・吹奏楽]

Title:Kanashiku natta tokiwa

作曲年月日:2017年 6月

初演データ (初演日)2017年10月25日
(初演者)演奏:海上自衛隊東京音楽隊 独唱:三宅 由佳莉
CDタイトル:SING JAPAN
レーベル・CD番号:ユニバーサルミュージック
CD備考:
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彼がわたしたちに語ったこと

副題:バリトン、ソプラノと吹奏楽のために
Title:That which He taught us …
Subtitle:for Bariton, Soprano and Band

作詞者:パーリ語仏典
言語パーリ語
作曲年月日:2015年 10月
演奏時間:14:00(約)

プログラムノート 951年、第二次世界大戦を終結させるためにサンフランシスコ平和条約が結ばれた。敗戦した日本は、ともすると中国やソ連などに分割されるところにあった。それを救ったのが、スリランカ(当時のセイロン)のJ.R.ジャヤワルデネ元大統領(1906-1996、当時は財務大臣)だった。スリランカは、日本帝国陸軍によるセイロン島コロンボ空襲を受けていたにも関わらず、「セイロンに於ける我々は、幸い侵略を受けませんでした」と表現したうえで、我々はブッダの言葉を信じている、と、「怨みは怨みによって止まず、ただ怨まないことによってのみ止む」というブッダ自身の言葉を引用し、日本に対する賠償請求権を放棄する声明を出した。今の日本があるのは、そして日本が自由であるのは、ブッダの言葉によって救われたからだ。(日本人はこのことを肝銘すべきである。)
 夥しい仏教の教典の中で、ブッダ自身が説いた言葉はほんの一部であり、ブッダが話していたパーリ語で残されている。
 この言葉をもとにして作品を書いた。
 しかし宗教曲を書いたのではない。
 およそどんな宗教でも、すべての人間も、真に切望することは同じで、普遍的である。
 そのはずなのだが、世の中に戦争は絶えない。さまざまな国や地域に不穏な動きがある。
 生きとし生けるものすべて幸せでありますように。
 そして次代によりよい世界がおとずれますように。

 さて、曲はバリトンの「生きとし生けるものすべて幸せでありますように」の祈りから始まる。
 間もなくソプラノが、怒りをあらわにする。バリトンは、「そのように怨んでいたら怨みは止まない」と諭す。緩やかな音楽となり「怨まないことで怨みは止む」と歌う。「これが永遠の真理」と唱えたところでソプラノがこれに同調する。
 穏やかな音楽でソプラノが「生きとし生けるものすべて、怯えているものも、強がっているものも」と歌い出すと、バリトンが「見えるものも見えないものも」と引き継ぐ。「すべて幸せでありますように」と二重唱になる。ユニゾンで「良きかな」と三回唱和して消え入るように全曲の終止となる。


テキスト

罵られた。傷つけられた。
倒された。奪われた。
・・・と怨んだら
怨みが消えていくことはない。
罵られた。傷つけられた。
倒された。奪われた。
・・・と怨まなければ、
怨みは消えていく。

実にこの世では、怨みを怨みで返したら、ついに怨みの止むことはない。
怨まないことで怨みは止む。これが永遠の真理。


生きとし生けるものすべて
怯えているものも 強がっているものも
長いものも 大きなものも
中くらいのものも 短いものも 小さいものも 巨大なものも

見えるものも 見えないものも
遠くに住むものも 近くに済むものも
すでに生まれているものも これから生まれるものも

生きとし生けるものすべて幸せでありますように


良きかな、良きかな、良きかな。
初演データ (初演日)2015 年11月8日
(初演者)ウルム交響吹奏楽団 指揮:伊藤康英
(初演場所)Congress Centrum Ulm
吹奏楽のための祝祭曲《集え、祝え、歌え》

Title:Festeggiamo e Cantiamo, Musica Festiva per Banda

作曲年月日:1998年 07月 07日
編成:Picc. 2Fl. 2Ob. 2Bn. EbCl. 3BbCl. AltoCl. BassCl. SSax. ASax. TSax. BarSax. 4Hrn. 3Trp. 3Trb. Euph. Tub. St.Bass. Tim.p. Perc.使用打楽器 Timp. B.D. Tam. Gloken. Triangle. Cymbals. S.D. Xylophone. Sus.Cym. 2Toms. Vibraphone. Tamb. Hi-hat.
演奏時間:9:30(約)

プログラムノート 1998年に富山県吹奏楽連盟40周年を記念して作曲、7月25日に初演された。吹奏楽連盟の生誕の記念であるということと、私事ながら私の次男がその年の6月に誕生した、ということがあり、作品は誕生に関する祝祭の音楽となっている。つまり、主部はキリスト生誕を記念する賛美歌『神の御子は』による変奏、中間部は私が作詞作曲した歌『たんじょうびおめでとう』のメロディに拠っている。(2005年12月シンフォニック・ブラスカペレ演奏会プログラムノート/伊藤康英)
初演データ (初演日)1998年07月25日
(初演者)富山女子高校吹奏楽部 指揮:伊藤康英
委嘱者 富山県学校吹奏楽連盟
備考 2台のチェロとピアノのための『賛美歌変奏曲111』と、自作の歌《たんじょうび おめでとう》を引用。オプションで合唱を加えることができる。
CDタイトル:伊藤康英 2007 ~伊藤康英吹奏楽作品集
レーベル・CD番号:イトーミュージック/IMCD0707
CD備考:
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交響的カンタータ《展覧会の絵》 (ムソルグスキー作曲)

副題:二台八手ピアノ、サクソフォーン四重奏、混声合唱と吹奏楽のための
Title:Bilder einer Ausstellung (by M. P. Mussorgsky)
Subtitle:Symphonic Cantata for 2 Pianos 8 Hands, Saxophone Quartet, Chorus and Band

原作者:Modest Petrovich Mussorgsky
作詞者:シラー、ゲーテ、ミュラー、カエサル、プロペルティウス、サルスティウス、ウェルギリウス、杜甫、李白、尹東柱、伊藤康英
作曲年月日:2005年 9月 13日
編成:2Pf.(8Hands) Band 4Sax.(SATB) Mix-chor.
演奏時間:35:00(約)

出版社:イトーミュージック / ブレーン
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プログラムノート この作品は、ムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」をベースに、さまざまな言語のテキストの合唱が、戦争や平和を歌い上げるカンタータに仕立てたものである。

 こういう作品を作った経緯などは次のとおりである。

 「展覧会の絵」は、ぼくはあまり好きな曲ではなかった。何より音楽の唐突な変化や、貧弱そうに思える構成感や、音楽のいびつさが気に入らなかったのだ。それでも、いつかはこの曲を吹奏楽に編曲しなくては、と思った。なぜならば、オーケストラの世界にはラヴェルの名編曲があるが、吹奏楽の世界には、そのラヴェルをもとにした編曲がほとんどだったからだ。オーケストラを聴くより吹奏楽版できいたほうが面白い、そう言われるような編曲があったなら、吹奏楽はオーケストラに追随するジャンルではなく、対等の立場に立てるのではと思ったからだ。
 如何にしてラヴェルを打倒するか。ラヴェルより優れたものが作れるか、と永らく思案していた。
 さて、2005年に、たまたまこの曲を編曲してくれという依頼が入った。さまざまなプレイヤーが登場するコンサートで、最後に全員で演奏するために、ということなのだが、その編成たるや、シエナ・ウィンド・オーケストラ、トルヴェール・クヮルテット、東京混声合唱団(大阪での初演では、大阪音楽大学カレッジ・オペラハウス合唱団)、さらにはシュー・ツォン、田部京子、ハエ=スン・パイク、横山幸雄というピアニスト4名というものだった。これは面白いものができるかもしれないと思った。なにしろ合唱が入ったら、そのサウンドたるや壮麗なものになるに違いない。
 ところが、合唱が入るからには、テキストはどうする? という問題にぶち当たった。
 理想としては、ロシア語で誰か作詞してくれればよいのだけど、あいにくぼくはロシア語のアーベーヴェーすらちゃんと読めない。それではドイツ語? いや、そういえばこの原曲には、いろいろな言葉でタイトルが付けられているじゃあないか。そこでテキストは、自ら様々な詩人のものから採ることにした。
 たった一つの地球の上に、さまざまな世界(国)がある。世界をも一つに(自分のものに)しようとしたために戦争が起きたのではないか。世界にはさまざまな人がいる。さまざまな国がある。それを互いに理解しあうことこそが、ほんとうの意味で世界が一つになる(=平和になる)ということなのではないか。
 たとえばの話、大阪でエレベータに乗ると、みんな右側に立っているんですね。東京だったら左側だ。そんな瞬間、ふと自分は違う国に来たような錯覚に陥る。そうか、大阪は違う国なんだ。面白いなあ。そう気がつき始めたときに、大阪の面白さがほんとうにわかり始め、理解しあうことができる。日本にだってさまざまな国があって、みんな違うのだ。
 これをモットーとして、戦争のこと、平和のこと、さまざまな言語による詩を集めてきた。

 「古城 (Il vecchio castello)」からは、杜甫の「国破れて山河在り」の五言絶句が連想された。
 ゲーテの詩も使いたいと思った。
 シューベルトの「冬の旅」に出てくるミュラーの一節も、恐ろしくも気がかりな言葉だった。
 ベートーヴェンが第9交響曲で使ったシラーの詩も使いたかった。(ベートーヴェンは、シラーの詩全部を使ったわけではなく、部分的に、それも順を入れ替えたりもしている。それならば、と私も、この詩から気に入ったフレーズを選び出した)。
 ラテン語で原タイトルが書かれているでは、ラテン語の格言を当てはめたかった。
 それらを、冒頭に歌われる日本語「地球は一つ」というという言葉で括りたかった。そうして、4つの言語、10人の詩人(+1人)が集まった。

 さて、吹奏楽部分の編曲に際して、一つ気がついたことがあった。これまで、ラヴェルを意識して、ラヴェルよりいいものを、とか、ラヴェルがこうやったからその方法は避けなくては、といった考えが間違いだということ。つまり、ラヴェルは関係ありません、という方法を採るべきなのだ。これまでにもこの曲の吹奏楽編曲はいくつかあっただろう。ラヴェルを意識するあまり、そしてラヴェルに反駁すべく、突拍子もない楽器に役割を与えるなんてことは愚の骨頂だ。たとえば冒頭は普通に考えたらトランペットのファンファーレだろう。ならばトランペットに置けばいい。おや、ラヴェルもトランペットなんだ。それでいい。
 もう一つ。この曲を編曲していて、ロシアの大地のムソルグスキーの、力強い声に呪縛された感じがした。ラヴェルのオーケストラ編曲が「フランスふう」と評されているが、ようやくその意味が分かったような気がした。吹奏楽で表現することで、ムソルグスキーのかなり乱暴でさえある声に忠実に従えると思う。

 初演は、2005年9月27日、大阪のザ・シンフォニーホールにて、本名徹次氏の指揮。
 2010年版の初演は2010年11月27日、洗足学園音楽大学グリーン・タイ ウィンド・アンサンブルのコンサートにおいて、洗足学園音楽大学合唱団(合唱指揮:辻秀幸氏)の協力を得て、初演と同じ本名氏の指揮にて。また、12月19日には、洗足学園音楽大学の「合唱の祭典」にて、伊藤康英の指揮にて再演。
 2010年版に際していくつかの改訂を施した。誤謬を正したのは言うまでもないが、他にハープ・パートを加えたこと、韓国語の詩を追加したことである。
 戦争や平和を考えたときに、今、韓国と北朝鮮との問題は避けては通れない。そこで韓国語の詞を追加しようとしたときに、1945年に拘留先の日本で非業の死を遂げた若い詩人・尹東柱を知った。北朝鮮の問題もさることながら、戦時中の日本と朝鮮半島との軋みも、我々日本人の大きな過去である。この詩人の、最も知られている詩から引用し、新たに合唱パートに追加することとした。時あたかも、終戦からちょうど65年の暑い日に、平和への祈りを込めて。

2010年8月15日 伊藤康英
初演データ (初演日)2005年9月27日
(初演者)指揮:本名徹次(合唱指揮:奥村哲也) シエナ・ウインド・オーケストラ ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団  ピアノ:シュー・ツォン、田部京子、ハエ・スン・パイク、横山幸雄、 サクソフォーン四重奏:トルヴェール・クヮルテット
(初演場所)「アジアのスーパーガラコンサート2005」(ザ・シンフォニーホール/大阪)
初恋(石川啄木作詩/越谷達之助作曲)[独唱・吹奏楽]

Subtitle:Hatsukoi

作曲年月日:2017年 6月

初演データ (初演日)2017年10月25日
(初演者)演奏:海上自衛隊東京音楽隊 独唱:三宅 由佳莉
CDタイトル:SING JAPAN
レーベル・CD番号:ユニバーサルミュージック
CD備考:
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吹奏楽のための序曲《平和と栄光》

Title:Pacem et gloriam pro nobis, Overture for Band

作曲年月日:2001年 01月 30日
編成:Picc. Fl.1,2 Ob.1,2 Bn. EbCl. Cl1,2,3 AltoCl BassCl ContraltoCl. ContrabassCl. ASax.1,2 TSax. BSax. Hrn.1,2,3,4 Trp.1,2,3 Trb.1,2,3 Euph. Tub. Cb. Hp. C-chor. Tim.p. Perc. BANDA1(Trp1,2,3 Trb1,2,3) BANDA2(Trp1,2,3 Snare. Tom.) BANDA3(Trp1,2,3 Snare. Tom.) BANDA4(Trp1,2,3 Trb1,2,3)
演奏時間:7:00(約)

プログラムノート  創価グロリア吹奏楽団の委嘱により2001年1月に作曲。昨年3月の演奏会を聴いて、大人数のバンダを含む大編成バンドに感銘を受け、そういう派手な曲を書いてみようかなあと思ったのである。そして、「21世紀の幕開けにふさわしい」作品を、と依頼された。

 ふと20世紀を振り返ると、必ずしもハッピーなことばかりではなかった。だから今こそは平和を希いたいものだ、と、そう考えた私は、カタロニア民謡の《鳥の歌》を作品のあちらこちらにちりばめた。それこそが21世紀の幕開けにふさわしい。結局、祈りと祝典の音楽、とでもいえる音楽になった。ちなみに訳題はラテン語で、「我らに平和と栄光を」とでもいった意味合いとなっている。
(伊藤康英)
初演データ (初演日)2001年02月18日
(初演者)創価グロリア吹奏楽団・創価学会富士少年希望少女合唱団 指揮:佐川聖二
(初演場所)創価グロリア吹奏楽団第15回定期演奏会
委嘱者 創価グロリア吹奏楽団
CDタイトル:ARIA
レーベル・CD番号:CAFUA RECORDS (CACG0069)
CD備考:
みんなで第九 (ベートーヴェン作曲)

副題:1000人の大合奏
Title:Beethoven for us (by L. Beethoven)

原作者:Ludwig van Beethoven
演奏時間:3:30(約)

CDタイトル:伊藤康英 2007 ~伊藤康英吹奏楽作品集
レーベル・CD番号:イトーミュージック/IMCD0707
CD備考:
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『めぐる季節に』――ウィンド・アンサンブルのために

Title:"Meguru Kisetsu ni" for Wind Ensemble

作曲年月日:1996年 11月 09日
編成:Picc. 2Fl. Ob. Bn. 3BbCl. AitoCl. BassCl. 2ASax. TSax. BarSax. 4Hrn. 2Trp.(Cornets). 3Trb. Euph. Tub. St.Bass. Perc.
演奏時間:10:00(約)

プログラムノート  『めぐる季節に』は、ほんとうはちゃんと詩が付いた「歌曲集」である。言わば一種の童謡なのだが、大人の歌唱にも十分に堪える歌ができた、と私自身思っている。詩は、『イギリスはおいしい』などのエッセイで知られる林望氏の書き下ろしの詩による。それをあえて器楽曲としての吹奏楽編曲を作ったのには、次のようなわけがある。
まず、歌詞なしで聴いても、日本のメロディとして十分通用する作品ができただろう、ということ。近頃の吹奏楽作品には易しいメロディに乏しい。そのうえ、陳腐で安っぽいメロディが多すぎると思う。
さらに、吹奏楽伴奏で歌ったりあるいは合唱編曲によって吹奏楽と共に歌っても楽しいだろうと考えた。その場合大合唱+大吹奏楽団には、ちょっと相応しくないだろう。そこで、小編成のウィンド・アンサンブルへの編曲となった。あまけに全員で演奏するのはわずかに第5曲のみである。ほかは何かしらの楽器が休んでいる。そうすることによって、管楽器の音色を十分に往かせるのだ。
さて、各曲の解説は省こう。(『あんこまパン』なるCDブックにも載っていることなので、是非ともお買い求めいただくとして……、と宣伝しておく)。管楽器の奏でるメロディに何となく詩を乗せてお聴き頂くも良し、あるいは、リストの交響詩よろしく標題音楽ふうに聴いて見るもよし、あるいは、純粋に器楽曲として聴くもよし、どうぞ、いろいろな方法でお楽しみ下さい。(初演プログラム/伊藤康英)
初演データ (初演日)1997年02月27日
(初演者)航空自衛隊中部音楽隊
委嘱者 航空自衛隊中部音楽隊
備考 第1曲『春の愁い』第2曲『蝉の鳴く日は』第3曲『いちょう』第4曲『クリスマス』第5曲『淡雪』。林望氏の詩による歌曲集の吹奏楽編曲。合唱を加えることができる。
CDタイトル:吹奏楽プロムナード・コンサート4 グリーンスリーヴス・ジェラシー
レーベル・CD番号:NIPPON CROWN(CRCD2107)
CD備考:
別れの曲 (ショパン作曲)

副題:合唱と吹奏楽のための
Title:Etude op.10-3 for Chorus and Band (by F. Chopin)

原作者:Frederic Chopin
作詞者:荒井 間佐登
作曲年月日:1994年 11月 06日
編成:Fl. Ob. Bn. Cl. Sax. Hrn. Trp. Trb. Euph. Tub. Timp. Perc. F-chor.

ここんぷいぷい(吹奏楽版) [織田道代]

副題:くりかえしことば/そっくりことば/さかさことば/はやくちことば
Title:Kokon-Puipui

作詞者:織田道代
作曲年月日:2002年 3月 9日
編成:Band. Vocal

初演データ (初演日)2002年3月17日
(初演者)筑波大学吹奏楽団&伊藤康英 「しおざわのびのびコンサート」(塩沢小学校体育館)
音楽物語「こわれた1000のがっき」2007 [野呂 昶]

作詞者:野呂 昶
作曲年月日:2007年 10月
編成:Fl. Ob. Bb-Trp. Hrn. Mba. Hp. Vn. Va. Vc. Cb. Vo.

交響的歌曲「あんこまパン」 [林望]

Title:Ankoma-Pan

作詞者:林望
作曲年月日:2006年 1月
編成:Vocal. Band
演奏時間:10:00(約)

初演データ (初演日)2006年2月18日
(初演者)飯田裕之(バリトン) アミューズ・ウインド・オーケストラ 指揮:寺島康朗
(初演場所)「アミューズウィンドオーケストラ第10回記念定期演奏会」所沢市民文化センターMUSE
委嘱者 アミューズ・ウィンド・オーケストラ
備考 歌曲「あんこまパン」を声楽と吹奏楽用に編曲したものである。吹奏楽の人数を極力減らしてあり、かなり薄めのオーケストレイションを施してあります。指定通りの人数で演奏することによって、歌い手はマイクを使わずに歌唱することができます。
交響詩《時の逝く》

Title:As Time is passing on, Symphonic Poem for Band

作詞者:林望
作曲年月日:2000年 05月 25日
編成:2or3Fl. Picc. 2Ob. 3Bas. EbCl. 3BbCl. AltoCl. BassCl. Sop.Sax. 2Alt.Sax. Ten.Sax. Bar.Sax. 4Hrn. 3Cornette. 3Trp. 2Trb. BassTrb. Euph. Tub. Cb. Timp. Perc. Mix-chor(sung by players)
演奏時間:15:00(約)

プログラムノート   グラ-ル・ウィンド・オーケストラの10周年記念曲として作曲。しかし出来上がった作品は、むしろレクイエムに近い。そういえば、ブリテンは、日本の紀元2600年のために『鎮魂交響曲』を作曲し、そのタイトルが日本政府の顰蹙を買ったことがあった。だから私のこの作品も、記念曲にふさわしくないぞ、といわれるかもしれない。
が、それにはこんな経緯がある。
「指揮の佐川先生が泣けるようなメロディを」なんてことが、委嘱の条件に書いてあったりしたのだ(ちなみにこれを書いたのは、バンドの中で打楽器を担当しているMさんで、ぼくの高校の後輩にあたる)で、それならば、ワーグナーふうのたっぷりとした息の長い音楽を書いてみようと思った。あれやこれやとメロディを捜し求めていると、ふと、かねて作曲した『時の逝く』という未発表の無伴奏合唱曲のことが気にかかりだした。そこで、このモティーフをずっと念頭におきつつ作曲を進めていった。ところが今度はこの合唱曲そのものを引用してみたくなってきたのだった。
『時の逝く』という詩は、林望氏の手になるもので『鎮魂十二頌』というレクイエムの冒頭の詩。数年前に受け取ってこの合唱曲を書いたのみで、ずっとそのままになっていた。レクイエムとは鎮魂もしくは魂の救いを描いたもので、この詩自体は、決して悲しみにくれているばかりではなく、その口調はむしろ明るい。暖かい。
結局、この混声四部合唱曲をほぼそのままの形で引用することとした。
その詩をここに引いておく。
 
      朝に 頬染めた 光は
      たちまち 昏れて 夕べに 
      時の逝く そのはやさ
      そのしのびやかさに
      驚いている
      わたしがいる

    生きてあること
       思えば すべては
       一度っきりのことだったよ
    
       春べに 萌えそめた 緑は
       たちまち 夏の 木立に
       時の逝く そのはやさ
       そのうつりかわりに
       たじろいでいる
       わたしがいる
  
     生きてきたこと
       思えば すべては
       一度っきりのことだったよ

  この作品を書いたことで、自分の中の二つの仕事―吹奏楽と声楽―につながりが見えてきたような気がして大変に嬉しい。
曲は単一楽章で4部からなり、それぞれ「ラメント」「行進曲」「怒りの日(Dies Irae)」「時の逝く」と題されている15分強の作品。
本日の初演がうまくいきますように。(初演プログラム/伊藤康英)
初演データ (初演日)2000年07月08日
(初演者)グラールウィンドオーケストラ 指揮:佐川聖二
(初演場所)みなとみらいホール
委嘱者 グラールウィンドオーケストラ
備考 鎮魂十二頌(詩:林望)より第1頌『時の逝く』を引用。合唱(吹奏楽団がこれを兼ねる)を要する。交響詩版と交響的断章版の違い、並びに作品の構成については、交響的断章『時の逝く』を参照。
CDタイトル:交響詩「時の逝く」 伊藤康英吹奏楽作品集
レーベル・CD番号:CAFUA RECORDS(CACG0015)
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女声合唱と吹奏楽のための『めぐる季節に』(組曲) [林望]

副題:1.春の愁い 2.蝉の鳴く日は 3.いちょう 4.クリスマス 5.淡雪
Title:Meguru-Kisetsu-ni

作詞者:林望
作曲年月日:2004年 2月 5日
編成:F-chor. Picc. 2Fl. English Horn Ob. Bn. 3BbCl. AitoCl. BassCl. 2ASax. TSax. BarSax. 4Hrn. 2Trp.(Cornets). 3Trb. Euph. Tub. St.Bass. Timp. 5Perc.
演奏時間:12:00(約)

初演データ (初演日)2004年4月18日
(初演者)川崎医療大学ハートフルウインズ、倉敷青陵高校コーラス部、コール・ピクルス、大高小学校育成会コーラスクラブ、川崎医療大学合唱団ちょらす、岩田俊哉指揮
備考 原曲は、子供たちのための歌曲集「めぐる季節に」
オン・ザ・ロード [和合亮一 台本]

副題:ナレーター、シンガー、児童合唱、混声合唱、和楽器、吹奏楽のためのオラトリオ、もしくはシアターピース
Title:On the Road
Subtitle:an Oratoio or a Theatre Piece

作詞者:和合亮一
作曲年月日:2017年 4月
演奏時間:35(約)

初演データ (初演日)2017年8月12日
(初演者)音楽監督・指揮:伊藤康英 ナレーター:和合亮一 シンガー:SHIMVA ピアノ:海老原嗣 児童合唱:伊達市楽友協会児童合唱団 混声合唱:伊達市楽友協会合唱団 吹奏楽:伊達市楽友協会ウインドオーケストラ 和太鼓:伊達市邦楽アンサンブル(ひろせ梁川太鼓)
(初演場所)広瀬川親水公園(福島県伊達市梁川町)
貝殻のうた(独唱と吹奏楽版(変イ長調))

Title:The Seashell Song for Vocal and Band

作詞者:和合亮一
作曲年月日:2016年 6月

備考 原調より短二度高く、三宅由佳莉版として編曲された。
CDタイトル:われら海の子
レーベル・CD番号:ブレーン / BOCD-7611
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